2009/01/13
【「管理者のボヤキ」第11投目  新年、弱気編】
皆さん、平成二十一年元旦明けましておめでとうございます。しかし、
昨年11月から年初めの当館の宿泊客はジャレて“空け増して、悲しい
です!”でした。アメリカ発祥の世界的大不況は、このド田舎で細々と
営業している当館をも襲って来ました。お陰で賞与は無し、今年予定し
ていたツインルーム、トリプルルームの改装は無期延期となりました。
早速、各部所に対策の検討を指示。砂漠化の進む頭を捻りながらの新し
い宿泊プランの策定、宿泊料金の見直し、テナント誘致策、各経費の削
減、賃金体系の見直しと出来得る限りの手を打っていた最中。そこへ何
の恨みが有ってか宿泊客の多い日を狙ったようにエレベーターの故障。
当館のエレベーターはセキュリティー上、どの階のボタンを押しても必
ずフロントの有る3階で停止してドアーが開き、そこから目的の階へ移
動するようにプログラムされています。それがまさに真反対の動作をし
て3階を通過するようになってしまいました。よってエレベータは修繕
のため2日間も使用停止と相なり、お陰でお客様の荷物の運搬係りをさ
せられる羽目に・・・。大きな荷物を持ったお客様を見つけては「お客
様、もし宜しかったら、お荷物をお持ちいたしましょか?」と普段使っ
た事の無い“お付き“を連発して声掛けをする。何人かは私の顔と頭?
を見て「毛っ乞うです!自分で持てます。」と返答。そう聞こえたのは
私だけぇー・・・(だいたひかる風に)  するとつい私と目線が合っ
てしまった若い女性が大きなボストンをこちらに差し出して「お願いし
ます」との事。 「はい、承知しました」と私。「重いですよ」とその
女性。 ボストンを受け取りながらさり気なく顔を見ると私好みのなか
なかの美貌の持ち主。つい変に調子こいちゃって「これくらい大丈夫で
す!」と差し出したボストン以外にも頼まれもしないもう一つの大きな
バッグをも抱えて階段をヨタヨタしながら「男って本当に大バカだな」
とブツブツ言いつつ降りていると、「大丈夫ですか?」と後ろからその
女性の心配そうな声。  「だだっ大丈夫です」と慌てて弱気の返答。
無事に何とか一階まで降りてタクシーのトランクへ荷物を入れようと持
ち上げた時、腰に変な痛みとともに異様な音がした。して、痛みを我慢
して何事もなかったかのように、後方にいる女性の方へと振り返ると、
「これ少ないですけど」と千円札を折って渡して来た。「有難うござい
ます。お気持ちだけで結構です」と私。痛めた腰に手を当てて遠ざかる
タクシーを見送りながら、ふと今朝のテレビニュースが頭をよぎった。
運、力とも尽きて渦中の日比谷公園の派遣社員みたいに路頭に迷うやも
知れなのに、やはりチップを貰っておけば・・・・とここに至ってさら
に弱気。   合掌

2009/02/20
【管理者のボヤキ欄 第12投目 “もったいない”続編】
以前に当館の不用テレビの引取り希望者を募集をしたところ、またたく
間に50台からのテレビが引取られた事をお話しましたが、今回も改装
により不用となったローチェスト40台、ドレッサー30台、ズボンプ
レッサー20台の引き取り希望者を募ったところ、ローチェストは地元
の介護施設に全量引き取られ、残りを前回同様に地元紙に希望者募集の
掲載をお願いいたしました。  反響は夜明けとともに電話の鳴りっぱ
なしで幕を明け、電話での対応で予約を受けてから割り振りをと考えて
いたにも関わらず、直接来られて引渡しを希望される人などで担当者は
四苦八苦の一日となりました。今回も一人一台と限定しても希望者全員
に行き渡らず、壊れた家具まで持って帰られた人さえおられました。テ
レビ同様に廃棄処分を考えていた当館にとっては本当に有り難い結果と
なりました。本来ならば粗大ゴミの運命にあったこれ等の家具類達は、
危うく灰になる直前で命拾いをし、新しい主人の元で家具本来の働き場
を得て喜んでいる事と思います。引き取って頂いた皆様、広報して頂い
た地元紙の美人担当記者の方・・・、誰もが喜んで貰えた結果に
“感謝! 感謝!”です。     さて、次回は定年間近い私自身の
払い下げをと考えているのですが、まだまだ今回の家具同様に十分再利
用可能です。 チョットだけ前頭葉付近が壊れ気味ではありますが、つ
いこの間までは“田町の未明の帝王”(自称)と呼ばれ、岡山の西川や
田町中央町界隈でブイブイ鳴らした男です。 今では“新見の昼下がり
のエイエイ王”と呼ばれてますが・・・難を言えば、酒カス風味の加齢
臭と下半身のモラル的制御不能に後天的痴呆症がほんの少し始まってる
くらいなものです。どうかどなたか引き取って頂けないでしょうか?
  いえ、決して贅沢は申しません“三食介護添い寝付き”にさえして
頂ければ、それはもう充分ですから・・・。
それこそ“払い下げ”は“願い下げ”かな?  多分・・・
        合掌

2009/04/05
【管理者のボヤキ欄 第13投目  純、私的編】
私も2月で56歳になりました。一昔前だったら現役から引導を渡され
てもいい年頃ですが、昨今ではまだまだ中年の初等科です。 こんな私
にも世間並みに孫が出来ました。(2人目ですが・・)  昨年、花の
お江戸に嫁いだ長女に予定日より一週間ほど早く男子が誕生いたしまし
た。女房殿はもう数日前から自分が出産するかのようにソワソワして、
長女が逐次入れてくる電話に聞き入り、自分の出産時の体験を教授しな
がらもう気持ちは既にお江戸に有ります。そして夕方から陣痛が始まり
入院、同夜11時過ぎに婿殿からの連絡で母子共に無事出産との連絡。
その後、写メールで孫に初対面、心配と喜びが交差し思わず目頭が熱く
なりました。 翌日、女房殿は大の苦手の早起きを克服したかの如く、
私がまだ寝ている事など一向にお構いなく、バタバタせわしく早朝より
お江戸へと出掛けて行きました。私も行きたいが我が家には口の付いた
ものが居ります。4歳でメスなのに“ボス”と云う名のラブ犬と、女房
殿が大事に飼っているメダカ(正式には学名がある)が居る為、お世話
が必要なのです。それと当館の業務を二人共抜けてしまうと支障が出る
為、女房殿が帰って来たら入れ替わりで私が行くよう話が出来あがって
おりました。 しかし、そんな我慢の私を急きたてるかのように、ここ
数日はほぼ毎日婿殿から孫の状況報告が入り、そうでなくても行きたく
てムズムズしているのに・・・と。
でも婿殿の手放しでの喜び様が純粋に伝わってきて、つい私の時と比較
してしまい胸が熱くなりました。 そう、私の長女が生まれたのは29
年前、当時当館の建設の追い込み時期に入っていて、不眠不休での勤務
体制。よって、女房殿の出産にも立ち会わず迎えにも行かずと、更には
長女との初対面はホテルの建設現場だった事が、29年経た今でも強く
脳裏に残っております。それも出産のねぎらいの言葉一つも掛けてやれ
なかったように記憶しております。 それに比べ婿殿は・・・と、深く
深く反省いたしてしまいました。して、私もついこの間、花のお江戸に
出向いてついに念願の孫に会ってまいりました。何と可愛い事・・・・
ついシーサーもどきの顔が緩んでしまいました。
めでたし!めでたし!!                   合掌

2009/08/24
【管理者のボヤキ欄 第14投目 環境意識編】
当館の大敵は税務署でもなく、暴力団でもなく、最近やたらと攻撃的に
なった女房殿でもなく、喫煙者の日常的なマナー欠如による物損被害で
あります。今や愛煙家は公共の場でも職場でも果ては自宅にても肩身の
狭い御時世となってきておりますが、これってCO2排出量に算入され
ないのかな? しかし一昔前までは乗り物で隣の席に喫煙者に座られて
喫煙されても我慢する事が当たり前でしたが、昨今では、かつての市民
権を完全に剥奪されつつあります。当館も禁煙ルームを昨年より一部で
設定し、徐々に増室しつつあります、が、タバコで床、カウンター、椅
子、ベッドカバー等が常に焦げ被害に遭っており、被害は甚大でありま
す。 一日も早くタバコの無い社会になって欲しいと願っている一人で
もあります。そう言う私も以前は“愛煙家の直参旗本を自負していたが
今や毅然と反旗をひる返している嫌煙家の筆頭家老・・・・・”と第4
投目で話したとおりの次第で有りますが、また若い頃は格好つけて唇の
端に煙草をくわえて貧弱な体で目一杯、突っ張っていましたが、今では
肥よくな体でクワを片手に腹が出っ張っています。 しかし「タバコ」
をなぜ人は吸うのだろう?  と砂漠化とした頭で単純に考えてしまい
ました。 起源はアメリ大陸とされ、神への供え物として儀式に利用さ
れ、15世紀末にヨーロッパとの接触により徐々に安らぎを得る嗜好品
として使われるようになり、世界中に広まったとされています。アメリ
カ先住民のインディアンがジョンウェイ主演の映画などで知ってのとお
り、パイプで吸っているのをよく目にしたものですが、起源はどうあれ
愛煙家は確実に隅にへと追いやられて少数意見者となり、完全消滅も長
期的には間違いなさそうです。また、このタバコがこの世の中から無く
なる事により気管支系の病気が少なくなり、保険関連料金等がかなり安
くなると思いますし、街の路上ももっと綺麗になり、食事も美味しく頂
けるでしょうし、接吻ももっと魅惑的で素敵な味へと変化する事と思い
ます。それと何よりも我々ホテル業界が喜びます。壁紙のタール汚れ、
床の焦げ穴、悪臭 等々の被害から開放されます。 “世間の愛煙家の
皆さ〜ん! 「五百年間も昔のつまらい習慣や嗜好を継承するのは時代
遅れの骨頂であります。 何一つ救い処の無い喫煙習慣を是非とも即刻
やめましょう!!」” そうすれば私も女房殿に苦情を頂くところの、
食事中に下半身による予告なしの大気汚染の無断排出を即刻止めるよう
非日常的に努力いたします。     関係ないか・・・・   合掌

2009/10/24
【管理者のボヤキ欄 第15投目 30周年編】
以前より申し上げました通り、とうとう当館も10月6日で30周年を
迎えました。 手放しで喜んで良いものかどうか・・・ 単的に建物が
経年を重ねて老朽化しただけのような気が致しますが“継続は力なり”
とか云いますし、とりあえず深く考えずに単純に30周年記念イベント
を3日間ほどやろうか! と云う事と相成りました。宿泊者全員に記念
品を出したり、一階店舗での特売とか、各テナントさんに協賛をして頂
くとかで “何かやっているな!” と思って頂ける程度の催し物となり
ましたが、どうにか無事に終了の運びとなりました。それ以上に盛り上
がったのが近くの居酒屋での打ち上げだったと言うのも寂しい気がいた
しますが、 ともあれ昨年の経済危機以来、平常時でも消沈気味の当館
にわずかなあかりを灯してくれました。 それと昨年来より実施してき
た各不況対策がここに来て功を奏してきたようで、今年度はそこそこの
数値が残せそうです。これも小回りの利く独裁政権下の零細企業あって
の事!  以前より暖めておいた各種宿泊プランの実施、各事業変更、
人員体制の見直し、賃金体系の見直し、改装計画の変更、客室の全テレ
ビの入れ替え、全室温水暖房便座の導入、ネット残室完了等々を一気に
推し進める事が出来ました。 
結果は前項に申し上げたとおりで良好であります。 是非とも政権交代
でマニフェストに拘ってモタモタしている鳩山政権の閣僚達に伝授した
いくらいです。   来年度は念願のツインルーム、トリプルルームの
改装も出来そうです。 とりあえず何とか無事に30周年を終える事が
出来て意味不明の“めでたし めでたし” です。
                              合掌

2009/11/16
【管理者のボヤキ欄 第16投目 クレーム反論編】
当館は昨年より某社の予約サイトによる、集客のためのオンラインシス
テムを導入しております。 この某社予約サイトは宿泊客が宿泊施設を
利用後にその施設に対して感想のコメントを入れるような書き込み欄が
あります。これが結構、単細胞の私にとっては曲者で、お陰で心因性ヘ
ルペスを発症して苦労しております。  ついこの間の事ですが、一ヶ
月以上も滞在をした50代の同一人物の宿泊者から4回にわたる連載で
次の様なコメントをいただきました。 「このホテルはお客の都合を考
えていない! ホテルとしての疑問を呈す!」
理由は5項目・・・
 @=エレベーターが5階とか1階のボタンを押しても必ず3階に停止
   してから目的の階に行くので面倒だ!
 A=フロントで食事の時間を聞かれるので面倒だ!怒りさえ覚える!
 B=宿泊料金(朝夕食付き)6200円なら倉敷・岡山の方が断然ま
   しだ!
 C=夜中にシャワーが使えない!
 D=浴室が水漏れする!」
と書いてありました。 これには唖然とすると同時に怒り爆発。「この
野郎フザケやがって! うちのホテルが気に入らないなら長々と一ヶ月
も泊まるんじゃねぇー 後になってゴタゴタぬかしやがって」と、喉チ
ンコが鼻の穴から出るほど怒り心頭でした。   まず私の反論はこう
だ!このクレーマー野郎よ!「耳の穴をかっぽじってよく聞いてな!」
 @=3階にエレベターが停止するのは3階にフロントが有る為で、て
   めぇーはいったい何処で部屋の鍵を受け取るんだ!
 A=食事の時間を聞かないでいつ飯を食うつもりだ! 24時間営業
   のファミレスじゃねぇっつんだ!
 B=てめぇー新見に来て岡山や倉敷の事をゴタゴタ云うんじゃねぇー
   これからは新見で用事があっても倉敷・岡山間を何十回でも二十
   日ネズミみたいにバタバタ往復してな! このバカめが。   
 C=常識的に夜お風呂が使えないはずが無いだろうが! 案内書きを
   逆の時間に解釈しやがって! 実際には一ヶ月以上も毎夜、入浴
   していただろうがー!
 D=浴室内の換気扇を作動させなければ、壁面は当然結露すラァ!そ
   れを“水漏れする”だって?・・・お前は小学生以下の能力か!
   アホったれめが!
と直接この口調で云えたならさぞや気持ちいいだろなぁーと思います。
反論は以上ですが、無論こんな言葉使いはしたくとも出来ません。が、
回答は正論であります。 この様な人を、俗に“クレーマー”と呼びま
す。当館に直接云うのならともかくも、誰もが目にする事が出来る予約
サイトで虚偽のコメントをするなんて最悪だと思いませんか?
私はこの全てに否定的なこの客の人物像を、本人を目にしていなくとも
職業的観察力で偏見的にいとも簡単に想像出来ます。それより日常生活
をどのように過ごしているのか、奥さんはどんな人だろうとか逆に興味
を持ってしまいました。  本当に世の中には色々な人が居ります。
当ブログ来訪者の方々も、こんな人が身近に居るかも知れませんから、
とくと気をつけましょう。
このブログ書き込みでストレスが解消出来て、ヘルペスが少しは回復に
向かいそうです。
                              合掌

※注・・ヘルペス=肉体的および精神的に疲弊するとヘルペス保菌者は
肌に湿疹が出来て皮下筋肉に痛みをともなう。(そう、私はヘルペス菌
の保菌者です。)

2009/12/02
【管理者のボヤキ欄 第17投目 覇権争い編】
以前、私の長女が花のお江戸に嫁ぎ二月に無事に男子を出産。  そし
て遂に森下家のDNAが“東京進出”を果たした事をお話いたしました
が、ついこの間、婿殿のご両親とお姉さん(当然、まだ若い)が我が家
に2泊三日で遊びに来てくださいました。
以前から私やカミさんが上京時にその都度、「是非とも岡山(新見)に
遊びに来てください」と云ってきた事に対して快く承諾されての来新で
す。お父さんは今までに何度か来てくださいましたが、お母さんとお姉
さんは今回が我が家に泊まるのは初めてであります。
ご招待したものの特別なものや珍しい物が有る訳でも有りませんが、せ
めてこのド田舎ならではの美しい晩秋の景色に美味しい空気と食材を味
わっていただければとの二泊三日でした。いつもは私たち夫婦2人と雌
のラブ犬(俗名=ボス)メダカ一匹の生活で、食事時にも大した話題が
ある訳でもなく、ただ黙々と配膳されたものを食する毎日でした。
でもこの3日間の我が家は一転して賑やかな大家族。いつもは4脚しか
出ていない食卓のイスも6脚に、その食卓も座り易く移動です。
さらに和室の仏壇に鎮座している私の両親も扉を閉めてチョット間だけ
ご休憩いただき・・・と。
そうこうしている間に夕刻に一行さんが到着して挨拶もそこそこに食卓
へと移動。
我が家の大事なお客さんを迎える時に定番の千屋牛でのすき焼きの宴の
始まりであります。普段なら隅に追いやられて仕切らせていただけない
私。  今回のすき焼きの“鍋奉行“就任に限らず、私のする事に何か
と口を出さずにはいられない性分の“カミさん”。 しかし今日はいつ
もとは違います。  そう、大きな盾となる味方のギャラリーが鍋の成
り行きを見守っているのです。  その“カミさん”、擬こちなく取分
ける私の菜箸の動きに黙って見いっているものの時折、目線が合うと
「お前それは違うだろうが!」といった殺気めいた視線を送ってくる。
がしかし、そんな視線は無視してお構いなく焼き上がった肉を取り分け
ては次の肉を鍋に投入。   そう、当家のすき焼きは料理番組での食
べ方の受け売りで、肉だけを先にいただいてから一段落したら野菜類を
投入します。そうすれば肉本来の美味しさを損なう事無く味わえますし
何よりも酒飲み達を待たせないで素早く酒の肴ともなります。年に数回
しか味あう事の出来ない貴重なひと時なのです。これも今回、我が家を
訪問して頂いたご親戚の援護あっての私の儚くも短い三日天下でありま
した。
       めでたし めでたし              合掌