2008/2/26
【「管理者のボヤキ」第6投目】
長い間には色々なお客様がお泊まりになります。職員の接客に対する不
満、備品の不備に対する不満、廊下での酔客同士の騒ぎ、等々・・・と
様々なご意見を頂く、しかしこのような意見は当館の見えていない弱点
を教えて頂いている点で大変貴重な教科書となる。  して、社内会議
には必ず担当職員に伝達し改善なり対処方法を協議する。が、しかし、
これを自称“トヨタ式風”改善実践するとなると職員によっては四苦八
苦している私。     ある部署会議で予約サイトからフロントの接
客に対する不満のコメントが入り協議をしていた時の事、ある職員「す
みません私が接客したお客様だと思います」と自主申告。この人、以前
は数十人の部下を動かしていた接客のプロ中のプロと一方的に思ってい
た私。で、原因を聞くと「私は自分では笑顔で接しているつもりなので
すが、どうもお客様の見方によっては不機嫌そうに見えるんだと思いま
す」との返答。  「じゃぁーもっと笑顔で接したら?」と単純に私。
  すると「私の顔は生まれつき“しょぼくれた”顔なのでどうしょう
もないです」と身体的要因にて返答。 しかし生まれつき無愛想な顔だ
からしょうがないと云われても解決にはならないけど・・・・と一人ブ
ツブツ。  「じゃぁーより一層笑顔がつくれるように一緒に練習でも
しようか!」と喉元まで出かけた言葉を辛うじて制止した私。 思うに
若い女の子同士ならば笑顔にエクボも出来て可愛くもあり絵になるが、
くたびれた中年のおじさん二人が向かい合って眉間にシワを寄せて笑顔
の練習をしている状況を想像したら薄気味悪いのと“笑顔”には程遠い
“ニヤケ”の練習としか見えません・・・・・絶対に!
よって、“一人で練習をしな!“と云わんばかりにフロント宿直室前に
姿見を置き、自主申告ならぬ自主練習で宜しくです!!
                              合掌
2008/3/19
【「管理者のボヤキ」第7投目】
当館もとうとう来年10月で30週年を迎えます。 自信を持って小声
で古いです!  まだ世界遺産の登録認定こそ受けてはおりませんが予
備審査ぐらいでしたらOKが出るかも知れません。  よって5年前か
ら外装の一新、給湯設備の一新、フロント廻りと廊下のジュウタンの貼
りり替え、客室の改装及びデジタル通信化と毎年、無い袖を振りながら
の多くの出費を強いられております。しかし、これも時代の流れとお客
様の御要望にお答えすべく、当館の最大限の志と位置付けております。
   して今年もご多分に漏れず悲しくも砂漠化の進む頭を捻りながら
せっせと改装準備に“ハゲ”んでる私。  ところがよくよく頭を捻り
過ぎたのか前回の会議での要望事項をふと朧気に近頃の陽気と共に思い
出してしまいました。  そう、あれはある売り場の担当者に「売り上
げが少ないから何とかしろよ!」 と云ったところ「 社長! うちは年
配者のお客様が多いので玄関にスロープを設けて欲しいです。
私自身“バーサン組”になってみて年配の方の動向がよく解るから是非
に!」と逆に要求された事を・・・で“バリヤフリー化”を渦中の某T
Yインホテル様に遅れること1年余、当館もやっと実践する事と相成り
ました。  して3月中旬にはバリヤフリー化第1号が玄関横に立派に
完成いたしましたが、祝テープカットでも万一するならばこの年配販売
員に是非ハサミを入れてもらおうかな? ともすれば売り上げ倍増も疑
いなし!とジャレ事を考えてる私。  しかしこの年配販売員、都合良
く適材適所で若くなったり御老体になったりと意気忙しく七変化。
よって“バリヤフリー”ならぬ まさに“バーサンふりー”だよ!
んっ?・・・・・合掌

2008/5/10
【「管理者のボヤキ」第8投目】“連休お詫び偏”
前回でご紹介させて頂いたとおり、3階客室の改装工事をこの連休前で
ようやくにして完成にこぎつけ、これで気持ち良く連休のお客様をお迎
えする事が出来るとこの日を心待ちにしておりました。  して、期待
した以上の宿泊予約で満室となり喜んでいたのもつかの間、何の恨みが
有ってか今年の連休は予想外の真夏日となり、例年であれば5月下旬に
空調機を暖房から冷房に切り替え作業(3人で半日作業)を業者さん依
頼していたのですが、当館の一番の弱みとする冷暖房の切り替えが日替
わりで対応出来ない・・・・。       当然、宿泊のお客様から
「暑いぞ!どうにかしろ!」と苦情を頂く事と相成りました。
この切り替えだけはタイムリーに出来ない当館の機械的な致命傷、毎年
季節の変わり目に2回空調の切り替えをしているのですが、どうしても
お客様それぞれ体感温度が違い、空調の切り替えが早すぎても苦情を頂
き、遅すぎても当然ながら苦情をいただきます。このタイミングが実に
難しく、切り替え時期が近づくと天気予報に神経を尖らせて聞き入って
いる私。が、しかし今回の切り替えタイミングは遅かりしで業者も連休
で対応出来ずの“落ち”付き。おまけに暑くてビールに涼を求めた泥酔
状態のお客様が改装したてホヤホヤの客室に“ゲロ”を巻き散らかして
“うわぁぁ〜”と口から喉チンコが飛び出るほどの生ゴミ置き場状態、
もう笑うしかない・・・・・。 この連休にお泊り頂いたお客様、本当
にご迷惑をおかけ致しました。  来年の空調の切り替えは必ずやイチ
ロー的タイムリーヒットでお迎えいたしますゆえ、何卒ゲロの巻き散ら
かしだけはご勘弁頂いて、是非とも楽天監督のノムさん風のボヤキ程度
のお叱りでお許し願いたい!        ・・・・・・合掌

2008/9/2
【「管理者のボヤキ」第9投目 番外PB編】
職務とは関係ありませんが、先月、私が幹事となり、38年振りの同窓
会で一同が集いました。 同窓会をやろう!と軽く思い付いて3ヶ月間
の奮闘。安易に口にしたものの実に苦労の連続でした。
まず同窓会名簿籍に住んでる人は殆ど皆無で姓名が変わった人さえいま
す。どうにか親兄弟の居場所が分かっても本人の住所、電話番号は時代
背景が影響してか怪しまれ「この前もそんな変な電話があった」とか云
われて教えて頂けない。四苦八苦しながらどうにか7割くらいは本人と
連絡までは取り付けて同窓会への参加を呼びかけるも色よい返事がもら
えない。
“高校時代は良い事がなかったから”とか“いじめられたから会いたく
ない”とか“仕事で忙しい”とか・・・・極めつけは経済的な理由を云
われ返す言葉がない。と出鼻を挫かれながらも友人の協力を得て何とか
同窓会当日を迎える事が出来ました。
で、ロビーで受付に居るとそれらしき同年齢の人が近づいて来る度に、
“この人かな“を数回繰り返しているうちに見覚えの有る懐かしい顔が
こちらに向かって微笑みかけてくる。「あっ、頭は白くなってるけどあ
いつだ!…だけど名前が出て来ない」で仕方なく「やあー久し振り」と
名前を呼び合う事なく握手をする。
とっさに受付台の名簿に目を向けて当人らしき名前を探し出し「…君元
気だった?」とちょっと気まずそうに声を掛ける私。 間髪入れず「お
前ぇーわしの名前が判らなかったんじゃろうが」と問い詰められ、仕方
なく白状。こうしているうちにも38年ぶりの懐かしい顔が次々と現れ
その度に既に到着した仲間から嬉しい歓待の声がロビーに響く、
「おいっ・・・君、クソ爺になったのう」とか手荒い出迎え言葉が飛び
交う、「お前の頭の砂漠化には負けるよ!」と切り返す。こうした挨拶
のやりとりが続き場所は宴会場へ。
乾杯、恩師への贈り物、それぞれがウップンを晴らすように38年間の
空白を事面白く話す、突っ込みが入る、更には酒が助長してか野次も飛
ぶ、何と愉快な事か、時間はまたたく間に過ぎて閉会予定時間を大きく
経過。次回は還暦を迎える4年後に!と熱い思いとともに皆のこの笑顔
がいつまでも続きますようにと念じつつ散会いたしました。
実に愉快で思い出深い同窓会となりました。 幹事やってよかったよ!
                              合掌

2008/11/20
【「管理者のボヤキ」第10投目】
当館は来年10月で30周年を迎えます。以前にも申し上げましたとお
り、6年前から毎年多大な(当館にとって)費用を投じて設備の一新、
部屋の改装等をしてまいりましたが、テレビは一部の部屋以外はブラウ
ン管型のままでした。して今年この地域が地上波デジタル化されたのに
呼応し、無い財布をはたき全室を薄型デジタルTVに買い換えました。
当然、ブラウン型テレビが不要となります。処分するにも費用が掛かる
し、処分するにはまだ数年しか経年していないテレビもかなりの数が有
り、それこそ“モッタイナイ”であります!!。私たち50年代生まれ
の準団塊世代にとっては三種の神器で、小学生の時にはこの内の一つで
も家に有れば“ブゲン者”(お金持ち)と云われ、友人、近所の人達に
もてはやされたものでした。 私の友人の家なんかは購入が早かったも
のですから“昨夜は力道山がどうだった”とか鼻高々に自慢話を執拗に
聞かされ、子供ながら羨ましくもあり、無理とは判りながら貧乏してた
親にねだったのを想い出しました。 まさに邦画のヒット作「三丁目の
夕日」が、さながら私達の幼少時代そのものでした。テレビの無い家の
人は(私も含め)有る家に押しかけ的に集まり、プロレスの神様?力道
山を歓声を上げて応援したものでした。今想えば迷惑な話である。よっ
てまだ使用可能のテレビを処分するには偲びがたく、地元紙の記者に相
談いたしたところ、「・・・欄」といった風に掲載してくださり、その反
応の素早い事。 早速、翌日早朝から電話が鳴りっぱなしでフロントは
対応に大変。結局、50台以上のテレビが数日で全て残らず引き渡され
ましたが、希望者の全員には行き渡らず、果ては不要テレビが出たらと
予約までされて行かれた人までいました。 この状況に驚くとともに、
この古いテレビが粗大ゴミとならずに次の新しい主人を得て第二の活躍
の場を与えられ、日本語にしか無い用語“モッタイナイ”の日本人古来
の物を大切にする精神が、この新見地域に嬉しくもまだ健在しているこ
とを再認識した一件でありました。    めでたし!  めでたし!
 (今回も“落ち”は有りません。悪しからず!)